貴方がくれたもの

 高校時代、影のような存在だった平野美都留のことを斉藤明日香は意識せざるを得なかった。好きだからではなく薄気味悪いから。
「ありがとうございました」
 その言葉を残して彼は彼女の前から消えた。
 高校を卒業して十年。偶然再会した彼は、危ない雰囲気を漂わす美青年になっていた。彼の言動に心揺さぶられ、離れがたいものを感じる彼女。
「一緒に暮らそう」
 彼は言った。
(全十話)

          10

(2011/10/10/完)

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